トロル門 †
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耐爆コンテナを持ってきた。しかし‥‥ †
ズキーヤ「じゃ、
ここで待っててね。」
ズキーヤ「コンテナを
おばあちゃんにわたして
通行証をもらってきてあげる!」
月光本拠地へ移動
鬼婆「たしかにあれは
耐爆コンテナに
まちがいないようだね‥‥」
鬼婆「よくやった!
上出来だよ、
ズキーヤ!」
鬼婆「ん‥‥?
どうしたんだい?
まだ何か用があるのかい?」
ズキーヤ「約束でしょ。
通行証をちょうだい。」
鬼婆「通行証?
そりゃいったい、
何のことだい?」
ズキーヤ「‥‥!?
とぼけないでよ!
約束したじゃない!」
ズキーヤ「耐爆コンテナを
取りもどしたら
通行証をくれるって‥‥」
鬼婆「バカ正直な娘だね
おまえは!
先が思いやられるよ!」
鬼婆「あたしたちが
欲しかったものは
もう手に入ったんだ。」
鬼婆「あんな怪しげな
流れ者に、律儀に
報いてやって何になる?」
鬼婆「だいいち、
あたしゃそんな約束、
したおぼえはないね。」
鬼婆「通行証について
考えてもいいと
言っただけさ。」
ズキーヤ「そんな‥‥
ひどいよ!
おばあちゃん!」
鬼婆「ひどくてけっこう!
どうせあたしゃ
血も涙もない鬼婆さ。」
鬼婆「伝説の<大破壊>が
人間の築き上げた文明世界を
破壊したとき‥‥」
鬼婆「あたしはまだ幼くて、
何も知らない子どもだった。」
鬼婆「住んでた家を失い、
住んでた街を失い、
家族も失って‥‥」
鬼婆「たったひとり、
地獄のような世界に
ほうり出された。」
鬼婆「それから何年も、
いや、何十年も、地獄を
さまよい続けて来たんだ。」
鬼婆「お前は何にも
わかっちゃいない。」
鬼婆「人間て生き物が
どれほど恐ろしく
残酷な生き物か。」
鬼婆「だから約束なんて
甘っちょろいことが
言ってられるんだ。」
鬼婆「この地獄のような
世界を生き抜いて
いくためにはね‥‥」
鬼婆「利用できるものは
何でも
利用するしかない。」
鬼婆「利用されるヤツが
バカなのさ!」
ズキーヤ「その話は
もう何度も聞いたわ。」
ズキーヤ「だけど‥‥
だからって人をだまして
いい理由にはならないでしょ!」
鬼婆「いつまでも
青臭いことを
言ってるんじゃないよ。」
鬼婆「お前はいつか
あたしの後を継いで
月光の元締めになる女だ。」
鬼婆「あらくれ男どもを
束ねて、使ってかなきゃ
ならないんだよ!」
ズキーヤ「わたし‥‥
前からずっと考えてた。」
ズキーヤ「わたしもいつか
おばあちゃんみたいな
恐ろしい女になるのかなって。」
ズキーヤ「でなきゃ
月光の元締めになれないなら
わたしにはムリ。」
ズキーヤ「もし約束どおり
通行証をくれないなら、
わたし、ここを出て行くわ!」
鬼婆「ききわけのない子だね!
流れ者にくれてやる
通行証なんかないんだよ!」
鬼婆「ここを出てくって
言ったって
お前‥‥」
鬼婆「いったい
どこに行く気だい?
ははは!」
鬼婆「ここ以外に
お前の居場所なんか
ありゃしないだろ。」
ズキーヤ「そんなの
知らないよっ!」
ズキーヤ「おばあちゃんの
バカ〜ッ!」
鬼婆「ズキーヤ!
お待ち!
お待ちったら!」
ルピエに移動
ズキーヤ「どうしよう‥‥」
ズキーヤ「通行証
もらえなかったなんて‥‥」
ズキーヤ「ヒナタに
あわせる顔がないよ‥‥」
ズキーヤ「飛び出して
来ちゃったけど‥‥
どこに行けばいいんだろ‥‥」
犬が吠える
ズキーヤ「‥‥!」
ナッポがズキーヤに近づく
ズキーヤ「ナッポ!」